
こんにちは。ベビー用品宅配レンタル専門店の小池です。
赤ちゃんが生まれた後に、心配することの一つとして頭の形がありますよね。絶壁になってしまわないように、ドーナツ型の枕を使うママもいると思います。
ですが、何の知識もなくただ、枕をしておけばいいのかというとそういうわけではありません。この記事では、
- 新生児への枕の必要性
- 赤ちゃんに枕はいつから使うべき?
- どんな枕を使ったらいいの?
といった疑問を解決し、赤ちゃんと枕の付き合い方について詳しくお話しさせていただきますね。
1.枕を使う本来の目的
まず、赤ちゃんに枕が必要なのか不要なのかをお話しする前に、枕の本来の使用目的についてお話しします。
枕の使用目的は、良い睡眠姿勢をつくること
枕の本来の使用目的は、良い睡眠姿勢を作ることにあります。人間は、人生の1/3~1/5を睡眠で過ごします。良い睡眠姿勢で眠ることで、心身ともに健康で、元気いっぱいに毎日をすごくことができます。
しかし、逆に睡眠姿勢が悪いと、「疲れが取れ切らない」「朝起きた時に肩がこる」「精神がイライラする」などなど様々な問題が発生します。
このように考えると、自分にピッタリの枕を選ぶことが人生を豊かにするとも考えられますね(^^)
新生児に枕は不要とされる理由
そんな、人生においてとっても重要な睡眠を、快適なものにするためのお手伝いをしてくれる枕ですが、実は、新生児には、不要だと言われています。
その理由は、新生児の背骨の形にあります。私達大人の背骨がS字型にカーブしているのに対し、新生児の背骨はお母さんのお腹の中で常に丸まった姿勢でいたこともあって、C字型に曲がっているのです。
枕はもともと背骨がS字になっている大人が睡眠姿勢を整えるために使うものなので、背骨がC字型に曲がっている新生児には、不要と考えられているんです。
新生児に快適な睡眠姿勢は横向き?
それでは、新生児にとって快適な睡眠姿勢とはどのような姿勢なのでしょうか?
新生児が落ち着く姿勢は、お母さんのお腹の中にいた時の姿勢です。赤ちゃんは、お母さんのお腹の中では、頭を下向きにして背中を丸めた姿勢になっています。
なので、新生児を寝かしつける時は、横向きにしてあげるか、体が沈む授乳クッションなどに寝かしつけるなどして、体が丸まりやすい状態を作ってあげるとすやすやと眠ってくれますよ。
ちなみに、赤ちゃんを抱っこで寝かしつけたあと、布団に下ろしてあお向けで寝かせようした際に、赤ちゃんが起きてしまった経験はないでしょうか?あれは、あおむけに寝かせることで、C字型に曲がった背骨が伸びてストレスを感じるからなんですよ。
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横向きで寝かしつけるときの注意点
ただし、新生児を横向きにして寝かしつけるときは、寝返りでうつ伏せになってしまわないようにお母さんが見守っていてあげましょう。柔らかい布団や枕の上でうつぶせ寝をしていると窒息の原因となります。
また、うつぶせ寝は、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高まると言われているのでなるべく避けたい姿勢です。
乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)とは?
乳幼児突然死症候群は、それまで元気だった赤ちゃんが、事故や窒息ではなく眠っている間に突然死亡してしまう病気です。日本での発症頻度はおよそ出生6,000~7,000人に1人と推定され、生後2ヵ月から6ヵ月に多いとされています。
参照: 乳幼児突然死症候群(SIDS)
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2.枕はいつから必要?1歳未満はいらない?
では、赤ちゃんに枕が必要となるのは、いつからなのでしょうか?この章では、そんな疑問を解決していきます。
枕を使いはじめる目安は1歳?
赤ちゃんは、3ヶ月頃に首がすわり、それと同時に首周辺の背骨が反ります。そして、6カ月頃を目安に腰がすわり、それと同時に腰周辺の背骨が反ります。さらに、ハイハイなどを活発に行う中で、背骨の反り具合が大きくなっていきます。
枕を使い始めるタイミングとしては、背中の筋肉が発達して、背骨が頭よりも後ろに出るくらいに沿った頃が良いでしょう。目安としては1歳前後になります。
個人差が大きいので要注意
ただし、赤ちゃんの背骨の反り具合の成長は、個人差が大きいのでパパ、ママがしっかりと観察してあげてください。
人間は、成長と共に首の骨が反り、頭が前に出てきます。
- 赤ちゃんが座っているときに、背中よりも頭が前に出ているかどうか?
- 赤ちゃんが眠っているときに、首が苦しそうじゃないかどうか?
などを確認しながら、枕を使用するタイミングを見計らってあげてください。
大人と同じになるのは10歳
ちなみに、子供の背骨の反り具合が大人と同じになるのは、10歳前後と言われています。つまり、10歳未満の子供には、大人よりも低い枕の方が、快適です。成長に合わせて少しづつ枕の高さを調節してあげてくださいね。
赤ちゃんが小さいころは、タオルを折り曲げて高さを調節し、ある程度成長して来たら、小さな枕にタオルを巻くなどして高さ調節することで、枕の買い替え回数を減らすことができますよ。
3.例外もある!月齢の低い赤ちゃんに枕が必要となる場合
ここまでは、赤ちゃんの成長に合わせて、どのタイミングで枕を使用するのが良いかについてお話しさせていただきました。しかし、それはあくまでも、一般論であり、例外もたくさん存在します。
ここでは、それぞれどのような場合に、どのような枕を使用すべきなのかをまとめて紹介させていただきますね。
頭の形の歪み・絶壁を防止→ドーナツ枕
1つ目は、赤ちゃんの頭の形についてです。「うちの子頭の形が歪んでるんだけど。。。」と悩むママもたくさんいらっしゃいます。
特に新生児や月齢の低い赤ちゃんの頭は、とっても柔らかいので、いつも同じ姿勢で寝かせていたりすると、頭の一部分のみに圧力がかかり、頭の形が歪んでしまいます。それがたとえ、綺麗に上を向いて眠っていたとしても歪んでしまうときは歪んでしまうのです。
そんな時に、真ん中にくぼみや穴が開いているドーナツ枕があると、頭に加わる力が分散するので、絶壁を防げます。
頭の向き癖予防→ドーナツ枕
赤ちゃんの形がいびつに歪んでしまう原因の一つに、向き癖があります。生後6カ月までの赤ちゃんの頭は非常に柔らかいので、向き癖を2,3週間も放置しただけでも頭の形が変化してしまいます。
そんな時に、中央がくぼんでいるドーナツ枕を使用すると、しっかりと上を向いて寝てくれるので、向き癖防止につながりますよ。また、ドーナツ枕は、頭にかかる圧力を分散してくれるので、赤ちゃんが常に上を向いたまま眠ったとしても、絶壁になりにくいのです。
吐き戻しを止める→傾斜のある枕
赤ちゃんによっては、ミルクを飲んで寝かせるとすぐに吐き戻してしまう子もいますよね。その理由は、体の構造に合って、月齢の低い赤ちゃんは、胃と食道の境界がゆるゆるなので、寝かせるとミルクが簡単に逆流してしまうのです。
こんな時に役立つのが、上半身全体を起こしてくれる傾斜つきの枕です。上半身が起きているので、胃に入ったミルクの逆流を防いでくれます。
スリーピングピロー・ロングランピロー(吐き戻し防止ベビー枕)などが有名ですね。赤ちゃんの吐き戻しが多くて心配しているお母さんは、手に取ってみてください。
枕好きの赤ちゃん→柔らかいタオル枕
また、赤ちゃんによっては、月齢が低いのになぜか枕があった方が落ち着く赤ちゃんもいます。結局のところ、赤ちゃんが快適に眠れることが重要なので、このような場合は、タオルを折り曲げて枕を作ってあげましょう。
4.当たり前だけど注して!枕の選び方
ここで、簡単に枕を選ぶ際のポイントを紹介しておきますね。後になって、枕を買い直すことのないよう、今からしっかりと注意しておきましょう。(^^)
水洗い・丸洗いできないと大変。。。
1つ目のポイントは、枕を簡単に洗えることです。赤ちゃんは、汗っかきで、よだれもこぼすし、吐き戻しもするし、もうお前は、「枕汚し星人か!」ってくらい枕を汚します。
こんな時に、枕をぽいっと洗濯機に入れて洗えるととっても便利です。むしろ必須です。
素材にもしっかり注意しよう!
2点目は、枕の素材です。赤ちゃんの肌は、とても敏感なので、合成素材や固い素材を使うと簡単に肌荒れしてしまいます。
綿100%やオーガニックコットン100%の物であれば、赤ちゃんの肌にやさしく安心です。
赤ちゃんの形に合うように生まれてから買う
少数ではありますが、「枕を買ったはいいけど、サイズが合わなくて結局使わなかった。」という話も聞いています。
赤ちゃんの頭の形は、子供によって意外と違うので、生まれる前に買ってしまうと、「赤ちゃんの頭にフィットしない!」ということもあるのです。
赤ちゃんの頭の形を見たから「確実にフィットする枕を変える!」というわけではありませんが、赤ちゃんの頭の形を確認してからの方が、あなたの赤ちゃんにあう枕を買いやすいですよ。
利便性なら一番!タオルを活用!
最後は、市販の枕を嫌がった場合についてですね。身の回りの話を聞いてみても、タオルで代用したというママ友は、少なくないです。
タオルは、おり具合で高さの調節も簡単ですし、吐き戻して汚れちゃったときも簡単に洗えます。また、赤ちゃんの成長に合わせて枕の高さを調節したいときにもタオルを枕の下に忍ばせることで使えますよね。
意外とタオルだけで済ませちゃうママもいるので、節約志向の人には、タオル枕がおすすめです。
5.枕を使う際の注意点!
次に、ドーナッツ枕やタオル枕を使う際の注意点をお話ししておきますね。
頭がドーナツ型に!落ち着いて対応しよう
実は、ごくまれにではありますが、ドーナッツ枕を使用したことで、「頭の形がドーナッツ型になってしまった!」という声を聞きます。「そんな馬鹿な!」と思うかもしれませんが、赤ちゃんの頭はとても柔らかいので、ありえないことではありません。
しかし、もし仮に赤ちゃんの頭がドーナッツ型になってしまっても、おちついて対処してくださいね。
ドーナッツ枕からタオルを折り曲げたタオルに変えたりすることで、元に戻るようです。また、赤ちゃんの起きている時間が増えるにつれて頭のゆがみは直っていきます。どうしても心配なら、1カ月検診の際などにお医者さんに相談してみましょう。
ふかふか枕は危ない?窒息事故の可能性
生後5カ月頃の寝がえりを始めたばかりの赤ちゃんは、体の力が弱く、自分の思い通りに体を動かすことができません。なので、寝返りをうった際に、布団や枕で赤ちゃんの顔が覆われてしまい、それが窒息の原因となることがあります。
平成24年の厚生労働省の調査によると、0歳児の死因事故の84%が窒息死です。しかも、たったの5~6分の窒息でも死に至ることがあるそうです。
大事な赤ちゃんに快適に過ごしてもらいたい気持ちは、よくわかりますが、命には代えられないですよね。なので、顔全体が埋まってしまうような枕の使用は控えましょう。
6.正解はない!様子を見ながら臨機応変に
いかがでしたでしょうか?この記事では、
- 新生児に枕は必要なのか?枕を使う本来の目的
- 赤ちゃんに枕はいつから?1歳未満は不要
- 例外もある!月齢の低い赤ちゃんに枕が必要となる場合
- 枕の選び方
- ドーナツ枕を使うデメリットや注意点!
といったことについてお話しさせていただきました。
しかし、枕を使い始めるタイミングや、使う/使わないの判断は、赤ちゃんの様子を見ながら臨機応変に対応するのが重要です。
何が正しくて、何が悪い。というものが明確にあるわけではないので、赤ちゃんの様子を見ながら試行錯誤するのが一番だと思います。